FC2ブログ

どっちが激痛?(受傷1日目)

生まれて初めて骨折をした。
部位は「右第五中足骨」、すなわち右足の小指のことだが、爪の生えている小指そのものというよりは、大きく見て「踵」と認識できる部分と、先っちょの「指」と認識できる部分をつなぐ、「足の甲の外側」と言えばわかりやすいだろう。

受傷日時は11月29日(水)19:58
なんで時刻まではっきり覚えているかというと、私は20時から始まる映画を見るため、2階への階段を上っていたからである。

そもそも私は足が非常に攣りやすい体質である。
ふくらはぎはもちろん、すね、親指、土踏まず、足首など、ありとあらゆる部分が同時に攣ることも少なくない、
「すねが攣る」などと言っても、多くの人は「はぁ?????」と首をひねらるばかり。
私もある時、理学療法士から「胸骨が固い人は脛が攣りやすいよ」と言われて初めて納得したほどである。

映画に遅れまいと早歩きをしていた私は、この時既に両足の裏や親指がかなり攣っていた。
やばいなーと思いつつも、映画館に入りさえすれば、あとは座って足の攣りを治せると判断し、そのまま痛い足を引きずって急いでいた。
家でならツムラの「芍薬甘草湯」があるので飲めばある程度回復するのだが、その準備はしていない。
無論今後は必ず鞄に入れることを決意している。

劇場は2階。

一瞬、階段を上る前に足の攣りを軽減させた方がよいのではないかという考えが頭をよぎった。
足の攣りの軽減方法は、アキレス腱や足の裏を伸ばしたり、足の指を攣りとは逆の方向に曲げたりすることだが、チケット売り場が目の前にあったため、そこのお兄さんに足の曲げ伸ばしを見られるのは恥ずかしいと思ってしまった。
もちろん開演時間も迫っているので、「よし、とりあえず2階まで行って足を伸ばそう」と考え、上り始めた。

階段を上っていてももちろん痛みが消えるわけはなく、むしろ足が棒のように重く、痛みも増すばかり。
しかしあと少しで2階に着く。
2階の広間まで行けば片隅で足を伸ばしている自分をじろじろ見る人はいまい。
「あと3段、よし!」
そう思った時、もぎりのお兄さんが「いらっしゃいませー、チケット拝見します」と声をかけてきた。
私はポケットに入れていたチケットを右手で持ち、はい、と差し出したその瞬間。

残り三段のために持ち上げていた右足が、まるでバレリーナのようにつま先まで伸び切り、さらに鉄の棒のようにビシッと固まってしまったのだ。

この「足が鉄の棒状態」は以前も一度経験があり、激烈な痛みで立つことも座ることもできなくなった。
結果的には武道をやっている弟があちこちに足を向けてくれて(その間にもまた別の部位が攣る地獄)、ようやく元に戻ったのである、
家族ですら信じていなかった私の異常なまでの足の攣りに、この時はさすがに弟も「これはおかしい」と納得してくれたのである。

それがこのタイミングで起きた。
2段目に着地するはずの足はバレリーナのようにピンと伸び切っているため、当然着地ができる形になっていない。
そのままバランスを崩した私は右側に倒れ、小指の下を強打した。

この時、「あ、やったな」という確信のある激烈な打ち方だったのだが、正直、痛みは打った部位より鉄の棒になった足の攣りの方が強い。
右足は全く踏ん張れないので、左手で手すりにつかまり、同じく攣ってはいたが左足でなんとか立ち上がる。

「大丈夫っすか?」
驚いたのはもぎりのお兄さんである。
目の前でおばはんがこけて、階段でモタモタしているのだから当然であろう。
私はとりあえず平気な顔をし、「大丈夫です」と言った。
そして再びチケットを差し出して半券を返してもらい、手すりに頼って階段を登り切った。

そもそも足が攣っていながら階段を上る行為が間違いなのだが、せめて始めから手すりを掴んでいればよかったのだ。
そうすれば倒れこむまではいかず、打ち身くらいはあったにせよ、ここまで酷くはならなかったろう。

私は小さい頃から体力的なものには全く自信がないこともあり、それゆえに用心深く比較的慎重な方だと思う。
それでも「足の調子が悪い時は、手すりを持つ」という考えには至らなかった。
悔やんでも悔やみきれないが、今後は体の衰えと共により慎重にならねばならないと身に染みた。
つか、何より痛いのは自分だしな!(ヤケ)

しかし実はもっと怖いのは、バランスを崩したまま階段を転げ落ちる可能性もあったことである。
2階が劇場のせいか、階段が急でやけに距離が長く、落ちていたら大変なことになっていたに違いなかった。
もしあの時、右足と同じく攣っていた左足のふんばりも利かなくなっていたら、完全に転げ落ちていただろう。
そして首や脊椎を折るような重篤なけがをしたか、うっかり頭でも打てば最悪死んでいたかもしれない。

さて、私の転倒に目を見張ったお兄さんは、恐らくバイトくんであるから客の状態を深く追及したり確認することなどはない。
私は足を引きずりつつも平気なふりをして広間の隅に向かい、まずは足の攣りを治そうとアキレス腱などを伸ばした。
左足は問題ないが、足の攣りと痛みが収まってきた右足は、今度は強打したところが徐々に痛み出している。

しばらく私を眼で追ってきたお兄さんも、そうやって元気そうにしている私に興味を失って別のことをやりだしたので、私は安心して足をかばいながら劇場内に入った。
自席に座り、靴を脱いで患部に触れてみる。

無論、かなり痛い。
とはいえ、もう泣きそうとか、熱が出てきたとか、おしっこチビりそうとかいうほどではない。

むしろそんな怪我をしながらも、油断するとすぐに親指や足の裏が攣る状態が続いていることの方が気になる。
攣りそうな指をそろそろと逆にしてみたり、べっこりとへこんだすねをもみほぐしたリしながら、私はそのまま映画を鑑賞した。
足の攣りが治ったのは1時間ほどしてからだったが、その時点で足の裏まで腫れてきており、骨を折ったことのない私でも、この腫れ方はちょっとまずいのでは…とやや不安になってきた。

映画が終わると、足の攣りの原因でもあったワイズの広い靴(そもそも私は日本人には少ないDワイズなのでそういう幅広の靴を履いてはいけないのだが)にも足が入らないほどぱんぱんに腫れていた。
裸足で歩くわけにはいかないのでちょっと無理をして足を突っ込む。
泣いたりわめいたりするほどではないが、とんでもない激痛である。

そろそろと歩いて劇場を出る。
泣いたりわめいたりするほどではないが、とんでもない激痛である。(2回目)

家までは駅まで歩き、電車で5駅…ルートと時間を考えて思う。
うん、これ、骨折であれ捻挫であれ打ち身であれ、多分絶対歩いちゃダメなヤツ。
というわけで「ヘイ、タクシー!」
かかった交通費は深夜割増で3000円弱。
ケガにまつわる思いがけない出費はここから始まった…

家に着いてからはアイシング開始。
保冷剤を総動員し、足の下に保冷剤を置き、打った部位には保冷剤入りの水袋を作って冷やす。
しかし驚くべきはそれでもまだしつこく攣る足のため、芍薬甘草湯を飲む。

冷やしても痛みは引かず、それどころか右足全体に内出血が広がっている。
これはさすがにまずいと思い、最悪骨折、そうでないにしても明日は職場に電話を入れ、朝イチで病院に行った方がいいと判断。
以前かかったことのある近所の整形外科が数年前に閉院してしまったため、自力で行ける整形外科をネットで探す。

するとなんと幸運なことに、家から50メートルも離れていない場所に見つかった!
というか、これまでそこに病院があったことにも気づかんかった!
このトラブルがなければ一生かからなかったかもしれない。

とりあえず病院に行かなければ何も判断できないので、寝ることにする。
痛みに弱い人や、受傷によるショックがあった人は、骨折のような重傷を負うと熱が出たり痛みで眠れないなどの症状が出る場合があるが、私はそういったことはなく、足を冷やしながら朝までぐっすり眠った。

ちなみにこの時鑑賞した映画は「IT」である。
映画全体に流れる80年代風味が心地よく、ピエロの正体が不明だった中盤まではなかなかの怖さだったが、終盤は呪怨の敏雄くんや伽椰子さんのようにあまりにも出過ぎでギャグっぽくなってしまったのは残念であった。
何より一番怖かったのは「続く」と出たことである。27年後(2016年)に続くんかーい!!

コメント

コメントの投稿


 管理者にだけ表示を許可する

Page top