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04/04(Sat)

ミステイク

温泉に、男が入って来た。

大浴場は露天風呂つきとなしがあって、10年以上前から1泊しかしない人のために朝6時に男湯と女湯を入れ替える決まりがある。
私はその日、露天風呂の方で一人朝風呂を満喫していたのだが、そこにフラ~ッと、フツーに男性が入って来た。

あまりに自然に入ってきて、シャワーを浴び始めたので、一瞬「男っぽいオバサンかな?」と思って眼を細めて見た。
私はものすごい近眼なのでメガネを取ると他人の顔は30センチくらいの距離に近づかないと認識できないのだ。
当然、離れて座っている人を遠目で見ても男なのか男っぽいガタイのいい女なのかよくわからない。

それに、あまりガン見してあちらに気づかれ、男だった場合に騒がれるのもイヤだった。
なので私は静かに立ち上がり、そのままその人の後ろを通って外に出た。
後ろを通っても股間も胸も見えないため完全には男か女かわからず、しかもその人も歩く私をチラッと見たのだが何も言わないので「やはり女か?」と首を捻る。

外に出てその人の着替えを覗くと、燦然とあったトランクス。
外の暖簾はやっぱり女湯。
もう1回確認しようとそっとドアを開けると、その人は後姿で湯船に向かい、バシャンと飛び込んだ。
後姿だが、あの腰周りのシルエットは明らかに男。

私はフロントに通報して手早く着替え、駆けつけてきた女性従業員さんを待つ。
「ボーイッシュな女の子じゃないですよね?」
「私は眼が悪いのでハッキリ見えたわけじゃないんですが、着替えを見ると違うと思います」
従業員さんも着替えのカゴを見て頷く。
「あっ、そうですね、これはまずい」

彼女が中に入って事情を聞くと、彼は驚いて「昨日の夜はこっちに入った」と答えている。
従業員さんは風呂は朝入れ替えになること、暖簾が女湯になっていることを説明し、すぐ出ようとする彼をまだ脱衣所に女性客がいるのでと押し留めてタオルを取りに戻ってきた。

長年この温泉に通っているが、「うっかり間違える人もいるんじゃないか」とは思いつつも、実際直面したのは始めてだった。
宿泊客には必ず説明していると思うのだが、はしゃいでいて人の注意なんか聞いちゃいない落ち着かない子もいそうだし、実際、女性客(または男性客)が一人もいないまま間違えて入り、そのまま最後まで出てしまったので、全く気づいていない人もいそうだ。
人が脱衣所にいれば騒ぎになるし、そもそもドアを開ける前に声などが聞こえればはっとするだろうが、偶然が重なると起こり得る間違いなのだろう。

私はまず「男が気づき、ギャーギャー騒いで、すいませんとか言い出したら余計面倒」と考えたのだが、その後「お父さんと朝風呂に入りに来た知的障害の子が、静止するより早くぱーっと入ってきちゃったのかな」とか、色々と考えた事を職場の仲間に話したら「それは職業病」と笑われた。

それに、男と女って風呂に入る時の「警戒心」ひとつでもこんなに違うんだと改めて思い知らされた。
その男は入ってくる時もシャワーを浴びている時も、ひたすら私の事なんか気にもせず、ただ自分の事だけをやっていた。
女性の場合、全員とは言わないが、誰かが浴場に入って来た時、あからさまではないにしても「入って来た人」になんらかの注意を向ける。
じろじろ見るわけではない。痩せているかとか、胸がデカいかとかをチェックをするわけでもない。いや、まぁ、するけど。
(ちなみに昔、ツレに「そんなにチ●コのデカ小さいを気にするなら、風呂や温泉で他人のモノを見たりするのか」と聞いたところ、「見るわけない」と答えるヤツが多数だったが、多分そもそも他人に関心を払っていないのだろう)
恐らく、非力な女性ならではの防衛本能から、特に風呂場のような完全無防備な状況では、「何か不審なものが来たのではないか」ということを無意識に意識するのだと思う。
女性のマルチなアンテナは、結局は男性に比して圧倒的非力ゆえの自己防衛によってなせるものなのだろう。

とまぁ、男がフツーに入ってきても特にパニックになるわけでもなく、「間違えたんだろう、けどこの事態は何とかしなければ」と冷静に考えて対処したというエピソードである。
間違えた男も入れ替えを認識していれば、または数名で来れば間違えることもなかったろうが、今頃はきっと「オレ、やってもうた」なお笑いエピソードにしていることだろう。
私はその上さらに色々分析的なことを言ってみたわけだが、実は肝心なことがひとつある。

それは座ってる時と後ろを通り抜けた時、2回目が合ってるのにヤツは騒がなかったことである。

つまり、むこうはこっちを見たにも関わらず、自分は男湯に入っていると完全に思い込んでいたということだ。
従業員さんに諭されてからの彼の驚きと動揺ぶりを脱衣所で聞き、私は複雑な思いで風呂場を後にしたのであった。

「アルドノア・ゼロ」
「政治を無視した恋愛劇と見せかけて、実は恋愛を無視した政治劇」

まずは姫様の「政治家」としての決断は、自分の人生の幸せや庶民との恋愛をすぐに優先する、甘っちょろいラノベや漫画やゲームの姫君たちと比べてドライかつ順当で素晴らしかったと拍手を送りたい。
さすがに2クール中3回も死んだフリをするだけあってしたたかな姫である。

1クールのワクワク感が蘇らないまま最終回を迎えた理由をしばし考えてみる。
やはりスレインが「一体何を目的として、なにを目指しているのか」が、我々視聴者にあまりにもわかりにくかった事だろう。

姫様の偽者を使い、ザーツバルムを亡き物にして(これも仇だとは言っていたものの、本当にあそこで殺害が必要だったかと思うとよくわからん)、後はほとんどがスレインの地位固めの話だったことも痛い。
決闘だのそそのかしだのなければ、スレインが姫様を超える命令権を持つことが唐突過ぎるのはわかるけど、地球軍との決着があんなに有耶無耶になるのなら、もう少しバランスよく構成できたのではないかと思う。

レムリナ姫も唐突に出てきた上に、どうなったのか謎のまま退場してしまった。
「アセイラム姫の腹違いの妹」以外の何者でもなく、スレインの心を動かす事もできず、全く意味のないキャラだった。

イナホの方は1クールで致命傷を負ったというハンデがあるので、さらに「スーパーイナホ」(特急か)になったのはさもありなんだけど、1クールではカタフラクトさえ貰えなかったスレインが、あのイナホと互角以上にやり合えるのも「え?なんで?」と戸惑わせた。
話が進んでいくと、どうやらタルシスが未来予測に長けた機体だからという事がわかるのだけど、せめてそれなら1クールでクルーテオ卿がその圧倒的パワーを見せ付けてくれていれば「なるほど、スレインはザーツバルムという盾と、クルーテオが遺したタルシスという剣を手に入れたんだな」と納得できたのに、片手落ちもいいところだと思う。

しかしこの作品、特に2クール目がイマイチのれなかったのは何と言ってもアセイラム姫が原因だった。

多種多様な時代錯誤の火星騎士を擁する火星と、イナホたちの周辺以外の人物像が全く描かれず、司令官や兵士に何の魅力もない地球が戦っているということは百歩譲っていいとして、それを超えて姫様のためにスレインとイナホが戦っているのは明らかなのに、肝心のセラムさんがやる事成すことアホ過ぎて全く感情移入できなかったからだ。

そもそもの戦争の原因を作ったのが自分だって気づいてないんだと思うけど、ホント、可愛いだけで何の価値もないので、せめてこのままスレインの最終作戦中に死亡して、スレインが戦う意義を失う、みたいになれば…と思ってたらまたゾンビ復活するしさー。この娘には本当にストレスを与えられた。

とはいえ、最後はクルーテオ伯爵と結婚し(物語的にはマズゥールカ伯爵の方が視聴者には馴染むのだけど、多分地位と身分がクルーテオ伯爵の方が上なんだろう。砂漠好きのマズゥールカ伯はいい人だけど自由人っぽいし、あの絵柄だとわからんが、彼は結構年齢も上なのかもしれない)、女王となって火星を導いていくという茨の道、そして「姫という役割の本来あるべき姿」を選んだ事には拍手を送りたい。

最終戦のスレインとイナホのタイマンはよかったけど、戻ってきた火星騎士たちのくだりは意味がわからんかった。
ハークライトもなぁ…何か腹に一物あるんじゃないかと期待してたのに何もなく、バルークルスなんか最強の機体で活躍する割りに個性が際立ってない。
イナホの周りのキャラも全く生かされてない。女の子はそれでもまだマシだったけど(でも話に関わらないのでいらない)、起助とかいても別に意味ない。むしろ2話目で退場したオイチョは、彼の鮮烈な死からすべてが始まったという感じでよかったかも。死んでるけど。

人は一杯出るんだけど、1クールほど人間ドラマが描かれてないから「ただいるだけ」になっちゃって、それならいらないよねって気になってしまう。レムリナ姫もその一人で、彼女の出自やなんでスレインが王族が隠している彼女の存在を知ったのかとか、皇帝もあんなに耄碌しながら、それでもまだ「地球はダメだ」と熱弁する理由が語られる事はなかった。
1クールで時間を割いたマリトはともかく、せめてライエには何らかの決着が待ってると思ってたけどそれもなかったな。
中途半端なんだよなぁ、どれもこれも。姉ちゃんが死ぬくらいあればイナホももっと感情を露に戦ってよかったかもだが。

いや、そもそも私、2クール目では謎の古代エネルギー「アルドノア」ってそもそも何?ってことが語られる話になると思ってたんだよね。
火星に到達したイナホが、スレインと共にその謎に辿りつく…って話が後半あるだろうと思ってた。

全くもって一切なしというのは、まさか続編にらみなのかとさえ思ってしまう。

バトルも1クールは「万国ビックリスーパーロボット」が圧倒的な強さを見せる絶望的場面で、イナホのスーパー頭脳で次々撃破していく展開が面白かったのに、2クール目になったらいきなり火星騎士が弱体化してザコにもやられる状態になってるのはガッカリだった。
火星の侵略・占領は1クールより進んでるのに、この体たらくはないだろう。

数多くある「1クールは面白かったんだけどね」と言わざるを得ないあたり、惜しい作品だった気がする。
ネットではバカみたいにスレインが叩かれまくったらしいけど、最近はレビューサイトも見に行かない私にはよくわからない。
少なくとも、イナホとスレインが安易に共闘したり、意味不明に通じ合ったりしない点はリアリティがあって非常によかった。
(その分、スレインがスーパーイナホと互角以上に戦えてしまうのが違和感があったけど)

毎回レビューしてたらもっと言いたい事を細かに書けただろうし、それだけの手をかけるべき作品だったろうとは思うけど、思いつくのはこれくらいかなぁ…2クール目開始は本当に楽しみで、エクストラ特番(総集編だったけど)もわくわくしながら見たんだけど、中盤あたりからは失速しまくりで、「今日はこの後アンジュもあるなぁ」と上の空になることもしばしば。

人に薦められるかといわれるとやっぱり「1クールだけなら」となってしまう。
監督ももう少しこの物語で描きたい事をきちんと決めて、それを脚本に伝えて欲しかったと思う。
キャラクターだけでは物語は作れないし動かせない。1クールはよかったのでできなくはないはず。
花江夏樹は何をやってもはまる起用なタイプだが、小野賢章は私が見る作品だとマギとかぎんぎつねとか純潔のマリアとかファフナーとか、ウジウジ考え込んではボソボソ喋る役が多過ぎる気がする。
雨宮天は一週間フレンズと七つの大罪の演じ分けができていないのでまだまだと言いたいところだが、実はこの人、ハスッパな役や地声っぽく乱暴に喋る時はなかなかいい味を出すという逆転があったりする。今後も精進して欲しい。

ヴァルヴレイヴに比べたら好発進だったし結末もそれなりによかったのに、盛り上がり自体が尻すぼみでちょっと残念。
スレインがザーツバルムを殺害し、イナホがマズゥールカを砂漠で解放したあたりが2クールのピークだった気がする。
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