ピンポン THE ANIMATION

全く期待してなかった映画がめちゃくちゃ面白くてよかったので期待していたけど、期待以上の素晴らしさだった。
あまり馴染みのない俳優さんや声優さんが多い中、独特の台詞回しですっかり雰囲気に溶け込んでた。
特に中盤の「卓球特訓」は、とても厳しいのにどこか「ピンポンって楽しそうじゃん」と思わせるに足りる演出でよかった。

今もまだヒーローの助けを待ちながらもがき苦しむスマイル、スマイルを救うために痛めた膝をおして試合に臨むペコ、生育の過程で様々な葛藤を抱えながら「強くあろう」としたドラゴン、そして多くの視聴者の感動を誘ったチャイナは、玉を打つたびに自分を覆ってきた虚構の鎧を削ぎ落とし、負けてこそ真の強者へと成長していく。
アクマもミスター小泉も誰のどの物語も心に沁みる。アニメ版ではオリジナルキャラのユリエさんや、設定が追加された太田キャプテン、出番の多かった江上などにも原作にない要素が追加され、さらに深みを増す人物描写になった。

湯浅監督はマインドゲーム、同じノイタミナでは四畳半神話体系と見ているけど、絵柄や動きの好みがかなり独特で癖のある監督。当たれば面白いけど、当たらないとてんでダメというミスター・オール・オア・ナッシングだ。
今回評価したい事の一つに、原作が連載されたのが世紀末だったにも関わらず、アニメ化においてはちゃんと2014年風の設定が加えられている事。携帯はもちろん、LINEやツイートなど、世紀末にはまだまだ高嶺の花、または影も形もなかったものをちゃんと取り入れて「現代風」演出を加えている。
私は「昔のもの(作品)を昔のまんま」という手法がどうにも気に入らないので、湯浅監督のこの感覚は本当に評価したい。

後日談まできっちりと見せてくれて、大人になったみんなの姿になんだか卒業生に久々に会う学校の先生のような気持ち。
チャイナが気化して日本代表になっている姿は涙が出そうになった。彼の日本名が「辻堂」なのは、あの優しくて気のいい辻堂高校の仲間たちと楽しい高校生活が送れたからなんだろう。

ドラゴンだって道を間違っちゃいない。選んだ道が真っ直ぐではなかっただけだ。
そして道はいつか必ず終わる。行き着く先が海であろうと、山の頂であろうと、トンネルの中であろうと、そそり立つ壁であろうと、そこが「その道の」ゴールだからだ。

いやぁ、本当に素晴らしかった。原作を読んだ人も読んでない人も、見てない人はぜひ見た方がいい。
そして見た人で窪塚とARATAの映画を見ていない人は、これもまた絶対見た方がいい。

クドカンの脚本、ペコやスマイル、ドラゴンやアクマのあまりの再現力の高さ、何より時間が短いのでラストにクライマックスを持ってくる必要がある映画では、アニメのクライマックスで心理的描写に特化したピンポン決着が、3Dアクションを駆使して如何なく描かれているからだ。オススメである。
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