特撮アレルギー

結構ちょくちょく語っているのでご存知の貴兄も多いかと思うが、私は特撮があまり好きではない。

幼稚なセリフやストーリー、アクションに重きを置くため、役者を美しく撮らないカメラワーク、すぐに作りものとわかる岩や瓦礫、武器などのちゃちな小道具など、子供だましの安っぽさがとても苦手なのだ。

加えて役者が美しくもなければ芸能人としての輝きもなく、実際に売れることなく消えていくので「ほーらね」とどこかでバカにしていた。qg
特撮をやるのは、これをやったからといって売れるわけのないB級C級ばかりか、落ち目になって普通のドラマでは使い道のなくなった役者くらいだとせせら笑っていたものである。売れなくなった歌手が大物扱いされてアニメや特撮の「主題歌」を歌うのと同じくらい、「こいつもついにそこまで」感が強かったのだ。

そんな私でも、子供の頃は仮面ライダー(世代的などんぴしゃはV3)が好きで、戦隊物(どんぴしゃはゴレンジャー、ジャッカー、バトルフィーバーJ)も結構見ていた。ロボコンやズバットだって見ていた。
けれどそんなまさに「ターゲット世代」であっても、私は特撮は胡散臭いものと思っていた。
世界征服を企む組織がなんで拠点を日本において、幼稚園バスをジャックするのかさっぱりわからなかった。
(それは現在スパロボと呼ばれている70年代のロボットアニメにも多分に言える事ではあるのだが)
さらにキッズ相手であるから、役者がやたらオーバーアクトだったり、見ている子供が共感しやすいようにと子役を使うので、これがまた棒読みの「子供演技」なのも非常に不快だった。(子供の演技は本当に苦手だ)

特撮のオーバーアクトは本当に嫌いである。
アクションがメインだから、役者もどうしても動きが大きくなり、変身時やアクション時でなくとも、やたら変なキメポーズで力のこもったセリフまわしになる。普通のドラマに比べて違和感アリアリなのがとてもイヤだった。

だからターゲット世代から外れてしまうと、当然特撮は見なくなった。見ないだけならまだしも、上記の理由がもとで「嫌いなもの」になりさがった。
(とはいえ戦隊物などは今と違い、土曜日の6痔台という家族の団欒狙い撃ちの黄金時間にやっていたので、デンジマンあたりまではいやでも見させられることにはなったし、チャンネル権の関係でギャバンなども見ざるを得なかったりしたのだが)

80年代に入ってそうした特撮っぽさが少し抜け落ち、兄弟仁義や正義と悪の定義によるドラマ性の高さや、今思えば思いっきり昭和顔だが当時はイケメン俳優だったてつをを起用した仮面ライダーブラックの人気が出た時も、「ふふん、しかし結局は特撮よ」と鼻で笑っていた。

アニメからも離れていた90年代は特撮など論外…と思いきや、実は毎年新しい戦隊物が始まると「どれどれ、今年は何がテーマかな」と一応内容だけはチェックしていた。全く何も手をつけなかったアニメよりはむしろ少し関心があったかもしれない。世代的にズレがあるウルトラマンでさえ、その年にやっているものが何なのかさりげなくチェックしていたし、ちゅうかなぱいぱいに始まる美少女変身ものも情報だけは入れていたりした。
だが案の定、元々あまり縁のなかったメタルヒーローものはサッパリである。

そしていよいよ2000年代になり、いわゆる平成ライダーが登場すると、ここにきて長らく特撮アレルギーだった私もようやく「どうも今時の特撮は昔とは違うらしい」と考えを改めるに至った。
それはドラマの話はしてもアニメなどのオタ物とはおよそ無縁と思われるタイプの職場の人たちが、「クウガ」や「アギト」の物語について熱心に語りだしたからである。これにはビックリであった。

それでも仮面ライダーではなく、当時「ちゆ12歳」でレビューしていたガオレンジャーの方をレビューを楽しむためだけに見ていたので、より対象年齢の低い戦隊物はドラマが非常に幼稚だし、演技やギャグはやたらとオーバーアクトで、やはりあまり好きにはなれなかった。

そんな風に、ウルトラマンに続く「ヒーローもの特撮」のターゲットとして第一世代であるがゆえに、特撮に対して強い偏見がある私が、電王を見たというのは奇跡的である。
水嶋ヒロがちょっと今までにないハイスペックイケメンだったので、「そんな人が特撮やるのか」と驚いて何度か見たカブトで視聴素地ができていたにしても、まさか次の作品で1年つきあうことになるとは思っていなかった。
電王が面白いとどこかのレビューサイトや掲示板で盛り上がっているのを見かけて、「ふーん、そうなんだ」と思ってたまたま見た4話目で爆笑し、そのまま視聴継続に至る。

振り返ってみると、私が苦手としていたオーバーアクトは電王にはなかったのだ。
いや、なくはない。オーバーアクトを繰り広げていたのは主にモモたちイマジンだった。何しろ彼らには人間のような表情も、役者自身が語るセリフもなく、アフレコがされる前は動きだけで全てを表現するのだから。

運の悪い良太郎を演じる佐藤くんは、役柄上おとなしい少年なので常に冷静で控えめ・抑えめだったし、白鳥さんは「今時の特撮はこんなにスタイルのいい美人さんが出るんかい」と驚かせてくれ、強くて寡黙なライバルキャラの中村くんも落ち着いた演技をする人だった。とっつきが悪かったのはややオーバーアクトのナオミや尾崎や三浦、明らかな棒読みの松本さんだったが、物語の面白さが突き抜けてくると、それはあまり気にならなくなった。

電王が風変わりだったのは、自由に動き回るイマジンがなんともアニメチックだったことだろう。
人気声優が演じているということだけでなく、コスチュームに隠れた中の人が体の動きだけで演じる必要があるからこそ、驚くほどコミカルなアニメっぽい存在になったのだと思う。

カブトで少し慣れていたのも手伝い、私はたちまち電王に夢中になった。子供の頃は好きだったのに、その後はずっと嫌いだった特撮が、CGを駆使した特殊効果(昔と違って逆に炎の嘘くささが増したのはちょっといただけないが)、子供にもわかりやすいように工夫はされているけれど、実は複雑怪奇なストーリーに唸り、キャラクターの魅力に歓喜し、様々なアクシデントを乗り越えながらも見事な帰結を見せた最終回には拍手喝采であった。

なんと、知らない間に特撮が進化している!
私が欠点としてあげつらい、せせら笑っていた部分がことごとく改善され、イケメンや美女が捻りのあるストーリーを牽引し、もろに「着ています」感のあったヒーロースーツもすっかり進化してスーツアクターさんの鍛えられた体を美しく見せてくれる。怪人(古っ)スーツも作りこまれ、かつてのチープすぎる素材感を感じさせない。

その後見た龍騎、クウガともにストーリー性が高く、正直舌を巻いた。
電王の後のキバは「大先生ここにあり!」で物語はまさにうんこだったが、子供番組であれだけ男と女が三角四角でドロドロするのは驚いた。俳優は既に有名人だった瀬戸くんはじめ芸達者が多く、実はキバは役者的に一番安定していたかもしれない。
一貫した物語はないに等しいディケイドは、それぞれの世界の見せ方がうまくて面白かった。同じような設定でも、視聴対象年齢がライダーより低いゴーカイジャーに比べると、ラストさえきちんと決まればやはりディケイドの方が全てにおいて凌駕していたと思う。夏みかんともやしはとにかく見た目が最高に美しいので、演技は二の次でよい。

より物語性が高く、架空の都市・風都で戦いが繰り広げられるW。もちろん特撮などはどれも明確な都市名はないのだが、たとえばクリーミィマミが「くりみが丘」、おじゃ魔女どれみが「美空市美空町」を舞台にするように、「風都」という街を設定したのが新鮮であった。
主人公の1人である桐山さんが比較的年齢が高かったせいか、コミカルなシーンも結構あるのにオーバーアクトは抑え気味でよかったし、はじめ棒読み丸出しで不安を募らせた菅田くんは最終回に向けてめきめきと上達した。まさに後生畏るべしである。ヒロインの山本さんは最初「これは受け付けないタイプのオーバーアクトレスか」と危惧したが、コメディエンヌとしての素質を最も見せてくれたヒロインであった。彼女の明るさが終盤の暗めの物語を本当に救ってくれたのである。

ここまでで、私もすっかり「最近は特撮も進化して変わったんだなぁ」と感心した。
戦隊物の方でも、明るくはっちゃけるゴーオンジャーのオーバーアクトは全く気にならず、全編アフレコがなくなったため、よりシリアスさを演出できるようになったシンケンジャーは、これまた子供向けとは言い切れないほどのストーリー性の高さに驚いた。

けれどそんな特撮との蜜月は現在、すっかり停滞期に入っている。
フォーゼはこれまでにない「学生ライダー」であり「宇宙」がテーマということで全話見たけれど、正直物語性やキャラクターの魅力という点ではWや電王、シンケンジャーはもちろん、ゴーカイ、ゴーオンにすら及ばない。
何よりユウキや流星をはじめ役者たちのオーバーアクトが半年目くらいから急激に酷くなり、見るに耐えなかった。(落ち着いていた鼻男や、一番オーバーな演技をしそうな弦ちゃんはなぜか安定していて大丈夫だったが)

実はもしかしたらキョウリュウジャーは見た方がよかったかもな…とちょっぴり後悔しているのだが、時既に遅しである。
久しぶりに見たウィザードのラストも、せっかくディケイドはじめオールライダーが揃ったのになんだかなぁ…であった。
次の作品も未知数とはいえ、全く視聴意欲が沸いてこない。虚淵に期待する声が大きいほど、天邪鬼的に「けっ」と思う。(虚淵ファンはまどかマギカを褒めちぎり、サイコパスに首を捻り、ガルガンティアは「らしくない」とため息をつくが、私はベクトルが逆に近い)

まぁ今週末には自分の目で確かめられるわけだから、それまで待てばいいか。

ブルーレイがせっせと新番組を録画してくれるので助かる。
それにしてもTBSは平日の0時から「ヤマト2009復活編」をやるとは何を血迷っているのか。
そういえばガンダムがフジやTBSでやるのに違和感を覚えた世代としては、ヤマトが日テレじゃないのも相当違和感だわ。

【ミス・モノクローム】
ゆるくて白黒の初音ミク。
橋の下で拾ってもらったのに193億円持ち逃げて!
城暮らしからコンビにバイトで「っさいあせー」て!

【ガイストクラッシャー】
しょっぱなから説明し過ぎのカプコン発キッズアニメ。途中で厭きたので、わーわー騒いでいる内容はサッパリわからぬまま。OPやEDを見る限り、「熱血」「コワモテ」「クール」の3人がチームを組んで戦うようなので、本来のターゲットであるキッズ以外にバトスピやヴァンガードなどでショタに萌える腐女子を取り込めればいけるかもしれない。私は無論パス。

一言投票所

Parallel Universe(管理人になにな)
■何年も前にプラネテスかガングレイヴを全話完走した後、他人のレビューを見るために巡回していた時にここを発見しました。読んでて楽しい記事ばかりで今も
今も暇があれば読み直したりしているぐらいです。ダイガード等を楽しんで頂けたのも嬉しかったです。日記の更新や一言へのレスも、とても大変そうですが、いつも楽しく読ませて頂き、感謝しております

嬉しいお言葉をありがとうございます。
あのような駄文を今でも読み返されてる!?と恥じ入りたい反面、そうなんですよ、レビューサイトのいいところって、後年になってもレビューを読むことができる、ってことなんですよね。
つまり作品を見るのは「本放映時だけじゃない」ので、見る前に面白いかどうか予備知識を得たかったり、見終わった後に他の人がどう思ったかを知りたかったり、人それぞれニーズがあります。

リアルタイムなら確かにツィッターは早いし気軽につぶやけますが、ストーリーをかいつまみ、検証し、推測し、自分の考えを述べる、という事には不向きです。
最近は老舗のレビューサイトさんもどんどん更新を停止してしまい寂しい限りなんですが、同時に後年「レビューが読みたい!けどしっかりとレビューを書いてるサイトが見つからない!」となるんだろうなぁと思ってしまいます。残念ですよね、本当に。

■everydiary良かったですよね。突然なくなってしまったのは残念でしたが……。そこから、日記に辿り着いたのがこのサイトを拝見するキッカケでした。
レビュー、質・量共にこれだけのものをどれほどの時間をかけて書いてるのか……凄いなと思ってましたし、以前ブログにレビューにかかる時間の事をちらっと書かれていた記憶がありますが、まさに殺人的スケジュールだったんですね……想像以上でした。
やめると聞いた時には残念でしたが、確かにこれは……ずっとやっていたら身体がもちませんよね。今は、ブログと時々更新される映画レビュー(すいません、見た事がある映画しか拝見出来ないんですが……)などを楽しみにしています!

every diaryユーザーでいらっしゃいましたか!
そうそう、ちょうどブログが爆発的に流行ってた時期でしたが、エブリーは更新されるとタイトルがトップに出るので、気になった日記を読んでそこの常連になる…なんてことが結構あったんですよね。あの機能はとてもよかったです。
ブログのようなテンプレなどはありませんでしたけど、とにかくシンプルで書きやすく、見やすかったのも好きでしたね。

種デスのレビューに関して言えば、土曜日の19:00から書き始め、月曜日の4時頃までぶっ通しで書き続けました。
でも土日は途中よっぽど疲れたら、そのまま仮眠を取ることができるのでいいんです。
問題は月曜日以降です。朝4時頃まで書いて数時間だけ寝て仕事に行き、帰ったらまた明け方くらいまで書く。
そんな日が3日続き、完成は水曜日の深夜というのが常でした。

水曜日にアップすると途端に爆発的にアクセスがあり、嬉しい悲鳴を上げる間もなく、今度は火曜日放映の攻殻のレビューにかかります。これがむちゃくちゃきつかった。なぜならむちゃくちゃ面白い反面、難解極まりないからです。種デスをやりながらは無理だと考え、1クールだけでやめようかと思いましたが、なんとなくやめられませんでした。やめたら途端に話がわからなくなっちゃいそうで…
おかげさまで今でも「攻殻のレビューはここがお勧め」と紹介してくださる方もいらして、本当に感激しています。やめなくてよかった。

でも種デスをやっている間は、詳細レビューは攻殻だけに絞っていました。
それでも簡易感想の「週アニメ」もありますから、結局金曜日、土曜日とレビューに追われ、気づけばもう次の種デスの放映です。しかもこれが面白いならまだしも、どんどんつまらなくなっていくんだから拷問でした。

ハガレンも随分書きましたが、どんなに遅くても日曜日には書き終えていたので、種デスがどれだけの時間を私から奪ったかを考えると笑うしかないですね。
反面、ルルーシュは楽でした。金曜日放映だったので、土日まるまる使えるため、遅くても月曜日にはアップできましたから。ギアスはMBSが1日早いので、先に続々上がるレビューを早く読みたいのに我慢するのが辛かった。

いや~、ホント、いくら楽しいからってムチャやってましたね。今はとてもできませんわ。
映画レビューの更新はもうちょっときちんとしたいところですが、これもJcomに入っていた時に元を取ろうと一ヶ月で40本くらい(35,6本見ないと元が取れなかったので)見てレビューを書き、こちらでもへとへとになってしまいました。しかもそんな風に見た作品はちっとも記憶に残ってなかったりして、忘れた内容を自分のレビューで確認する始末。全く、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ってのは私のためにある言葉ですかね、さては(笑)

機動戦士ガンダムシリーズ(Ζ、ΖΖ、G 、∀他)「ビルドファイターズ」
■放送がテレビ東京なので、まだMBSが版権を持ってる2作品は出せないのだとか。ソースは無かったんですが、つい最近ツイッターでスタッフが「この機体(エクシア)の作品からも一部の機体も出せるようになりました」と呟いてたので制限は本当にあったみたいです
あー、なるほどなるほど!了解しました。教えていただき、ありがとうございます。

でもまぁエクシアが出られるならよかった。
00は終了してもうじき5年ですけど、自由に使えるようになるには何年とかって決まってるんでしょうかね。
その縛りがあると昨年終わったばかりのAGEは出せないでしょうね。私はAGEには特に思い入れがないので別に出なくてもいいですけど、AGEが好きだった人は残念に思うでしょうね。

2013/10/03 03:38 |日記COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

コメント

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |